アメリカン・ビューティー
監督:サム・メンデス
出演:ケビン・スペイシー/アネット・ベニング
1999年/アメリカ/122分/戸田奈津子/☆☆☆☆☆
批評 崩壊する“日常”の恐怖
すごい変わったキャメラワーク。それに、この監督、映画初挑戦らしいけどすごい計算尽くしで画面を構成してる。
ただ、何箇所かではあるけど“なんで?”と思うキャメラワークがあったのが惜しい。
キャラの書き方は見事、ごく普通のオヤジが娘の友達に一目ぼれして変わって行く過程と、最後にある“真実”に気がつくまでの心象描写、最後まで自分が間違っていることに気がつかない母親、どこかで、なにかのたかが外れてしまった娘。
精神病的な隣の家庭、娘の友人の描き方などは見事の一言。
ただ、それらを画く家庭で視点を固定しなかったこと、キャラを突き放したように配置し、キャラに感情移入しぬくくなっているため、とっつきにくいかもしれないし、なによりも途中でだらけを感じてしまう人がいるかもしれない。
ま、なにごとも完璧ってワケにはいかないからな。