Michel Vaillant

ミシェル・ヴァイヨン
監督：ルイ=パスカル・クヴレア
出演：サガモール・ステヴナン／ディアーヌ・クルージュ／ピーター・ヤングブラッド・ヒルズ
2003年／仏／104分／／☆

批評　驚異的につまらぬ．．．

　仏を代表するというヴァイヨンとリーダーなるレースチームが、ル・マン24時間耐久レースで文字通り“激突”する話。

　カーレースを舞台にしているのに、そのカーレースのシーンが致命的に面白くない上、物語もガタガタというとんでもない映画。

　ラリーチャンピオンシップ (WRC 規模のラリーをパリダカ的なルールでやっている？) にフル参戦し優勝しているチームが、チャンピオンシップ中にチームもドライバーもそのままル・マンに参戦するというありえなさっぷりにまず脱力。
　他の部分でも、とにかく組み立てが下手。

　耐久レースの真っ最中に、誘拐された人を助けに行く場面など、車で助けに行き、誘拐犯が出払ったときにたどり着く。このタイミングのよさはよくある事なので良い。
　誘拐犯が車で帰ってくる。なぜか、そのままカーチェイスに突入しない。犯人が銃を撃ってそれを振り切って終わり。

　主人公の特性を活かした物語り展開というものを知らないのだろうか？

　もっとも致命的なのが、カーレースシーンの迫力が皆無ということだ。

　本当のル・マン24時間耐久レースの最中にカメラを持ち込んで撮影したと自慢していたが、どこらへんにその迫力が活かされているのか分からない。
　他の車が物語の筋とは何の関係も無くクラッシュしるシーンがあったが、それだけじゃないのか？

　本物のレースシーンに CG の車を追加してそれらしい画を生み出した「ドリヴン」(画だけは面白かった) の、漫画的・劇画的迫力にはおよばず。
　本物のレーシングカーを持ってきて、映画のためにレースを完全再現してしまった「栄光のル・マン」の、リアリズム一辺倒の迫力におよばず。
　物語的な面白さでは「グランプリ」にさえ及ばず。

　驚異的につまらない作品であった。

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