デビルマン
監督:那須博之
出演:伊崎央登/酒井彩名/渋谷飛鳥
2004年/日/116分/☆
批評 ここに生まれる、必殺の最狂映画
色々期待してくれた方々には、すまなかったとしか言えぬ。
これ以上の、これ以外の、どんな文章も思いつかぬ。
感情のほとばしりさえ生まれぬ映画は、実に久しぶりだ。
この映画は、私の思う所の“最低映画”ではない。
工夫も才能も時間も映像も、なにもかもがすべて足りていない映画であり、最低映画にもっとも必要な強烈すぎる「電波」や、突き抜けた「馬鹿」が無い。
つまりこの映画は、“最低映画にさえなれないゴミのような映画”という事だ。
あえて言うならば「最狂映画」とでも言おうか。
脚本段階で、撮影中に、完成した後で。
なぜ誰も公開をとめなかったのか....
疑念は、しかし確信に変わる。
そう。何もかもが足りなかったのだ。
公開を取りやめる判断力さえも。
最低映画は、観客に製作者の意図せぬ“笑い”や“怒り”を巻き起こす。
この映画を見終わったとに来るのは、ただただ、虚無。