世界の中心で、愛をさけぶ
監督:行定勲
出演:大沢たかお/柴咲コウ/長澤まさみ/森山未來
2004年/日/138分/☆☆☆
批評 個人的には絶対に許せない映画だが...
十数年前の高校時代に白血病で息を引き取った恋人をいまだに忘れられないのに婚約なんかしちゃった主人公が、マリッジブルーの末に思い出に向かって退行してゆく映画。
とりあえず、この主人公のどこが良いのか分からない。
婚約者との未来に生きたいのか、それとも高校時代の恋人と共に後ろ向きに生きたいのかが明白ではないのも、この現象に拍車をかける。
もちろんだがこの男に惚れる女性の気持ちも理解できない。
猛烈に感情移入しにくい物語は放っておいても、画は素晴らしい。
さすが行定監督というべきか、映像の美しさはもちろん、80年代を徹底的に再現してみせる。小道具の使い方も上手い。
本が売れているところを見ると、この物語も共感を受ける人のほうが多く、私のように感じる人間は少数なのだろう。
そう考えると、多くの人には受けるのかも知れぬ。
だが、私には絶対に受け入れられない映画だ。