武士の一分
監督:山田洋次
出演:木村拓哉/檀れい/笹野高史
2006年/日/121分/☆☆☆☆
批評 山田洋次は、上手い監督だなぁ
江戸時代。
藩主の毒味係の男が、毒に当たって失明。
その弱みにつけ込んで、男の妻を手込めにした男がいた。
ひとかどの侍を相手に、盲目の男が、決闘を挑む・・・
山田洋次監督による、藤沢周平時代劇映画三部作の完結編。だ、そうな。
三部作の前二作は作りが似ていたが、この作品はまるで異なる。
前二作の主人公は、未婚の男で、思い人がいた。
そして、上司からの命令で、持ちたくもない剣を持ち、人を切った。
しかし本作の主人公は結婚している。
そして彼は、夫婦愛を脅かす物に対する復讐心で剣を握り、自らの意志で人を斬る。
主人公夫婦の会話で始まり、主人公夫婦の会話で終わることからも、この映画の主題が夫婦愛であることが分かる。
代わり映えのない日常を徹底的に描写する事で、その、代わり映えのない日常こそ、守るべき重要な物であることを訴える。
さすがは山田洋次。
こういうのは、本当に上手いね。