デスノート 前編
監督:金子修介
出演:藤原竜也/松山ケンイチ/瀬戸朝香
2006年/日/126分/評価不能
批評 さすがに魅せてはくれないが、後編は気になる完成度
物語の作りが全体的に緩い。
細かい部分がとにかく緩い。
FBI の捜査官が、一人で、数日間に渡って一人の尾行をしている。素人の尾行か!?だいたい、お前いつ寝てるんだ!?(もそも FBI = 連邦捜査局は米国外での活動は違法なのだが。まさかフーバーが生き返っているのか!?)
捜査本部の情報が漏れているから、捜査本部の身内が怪しい、という理論展開には無理があるんじゃないか!?(捜査本部の人間、という可能性をいつどうやって否定した?)
捜査本部のデータベースにアクセスされているのならば、まずそこのセキュリティを見直すべきでは!?
居間からポテトチップスを持ってきて、袋を開けて中に TV を入れてノートを入れて・・・って、いつどのタイミングで TV とノートとペンを、袋の中に入れたんだ!?画面を見ている限り、盗撮器の死角でそれだけの事ができるとは思えん (ノートとペンはともかく、ポータブル
等々。
細部の甘い脚本だなぁ、金子修介だしなぁと思っていたら、どうも「原作でもほぼその通り」らしい。
この微妙に頭の悪い脚本は、原作から引き継がれているのか。
だとすると、仕方ないということだな。
こうした細かいゆるさに目をつぶれば、さして悪い出来の映画では内容に思う。
原作ファンの間で評判が悪い理由は、おそらく原作の面白さが再現されていないからなんだろうが、個人的には、これはこれで面白く見られた。
少なくとも、「この物語をどう落とす?」と楽しみにさせられ、「後編を見てみたい」(さすがに「とっとと見せろヲラ!!」というほどではないが) と思せる出来であった。
なお、作中でもっともリアリティの欠如した FBI 捜査官は、細川茂樹が演じている。
この文章を書きながら、一人で尾行しても、きっと「鍛えてますから」(+ 謎の指の動き) で乗り切られそうだなぁとか、「だとしたら、デスノートの"死"からでも逃げ切りそうだ、いや、そもそも死に神と鬼たちの戦いが!?」とか考えた私は、廃人仕様確定であると言えよう。