夢駆ける馬ドリーマー
監督:ジョン・ゲイティンズ
出演:カート・ラッセル/ダコタ・ファニング/クリス・クリストファーソン
2005年/米/106分/伊原奈津子/☆☆☆
批評 ふつーのお涙ちょうだい映画
レース中の骨折で処分されそうになった馬。
馬主に従い、馬を骨折させてしまった調教師の娘により安楽死を逃れたものの、誰もがレース復帰は不可能と思っていた。
しかし、奇跡が起こる...
最大の欠点は、家族の中がいまいち上手く行っていない、という事を映像として表現しきれていないことだろう。
父親と祖父の仲が悪いというが、「なぜ仲が悪いのか?」を描けていないし、夫婦仲がいまいち、というのも、冒頭で喧嘩していることから分かるが、「いつのまにか」仲直りしてしまっている。
最初から全員と仲がよい主人公と、怪我をした馬が立ち直って行くのを合わせて、家族仲が再生して行く光景を見せたかったのだろうが、非常に中途半端で、上手く行っているとはとても言えない。
また、かつての怪我によるトラウマから騎手を引退した男の物語が、家族の物語の、さらに外側にあるため、浮いてしまっている。
最初の欠点は、演出のミスからもしれない。
しかし、もう一つのミスは完全に脚本の責任だ。
細かいことを言うと、ゲイリー・ロス「シービスケット」に比べて、あまりにも競馬シーンがお粗末だという点も上げられるのだが、これは比較する対象がずばぬけ手しまっているというのが真実だろうから、無視する。
それでも、お手軽な感動ドラマ以上の出来ではない映画であった。