小さき勇者たち ガメラ
監督:田崎竜太
出演:富岡涼/夏帆/津田寛治
2006年/日/96分/☆☆☆
批評 がっめら〜、がっめら〜、つっよいぞがめら、つっよいぞがめら、つっよいぞが〜め〜ら〜
「子供の味方」としてのガメラが復活。
円谷的特撮映画だった、通称「平成シリーズ」とは一線を画した仕上がりになっている。
物語も、まるっきり繋がっていないしね。
前半で、人間の子供と、ガメラの子供の交流を描き、中盤でそれを引き離し、最期はガメラと人間の友情で悪い怪獣をやっつけるという、優等生の作り方。
子供向け映画に革命的なストーリー展開など必要ない (むしろ悪) ので、この作りは正しいのではなかろうか。
映像的にも、悪の大怪獣が人間を喰うというシーンがあるが、直接的なシーンを演出でカバー。描写することなく表現している。
このあたりも、非情に「子供向け映画」として正当な作り方と言えるだろう。
だが、そうした正当な作りは、特撮映画の正当な作りとしては昇華しきれていない。
最終決戦で、「ガメラだ!」と子供が見上げた次のカットで、見上げた方向とは正反対のビルで戦闘していたり、その直後に、子供が立っていた場所に落ちてきたり、最終決戦の道路が、そこに子供がいなかったか!?という道路であったりと、ともかく画と物語が繋がっていない
編集がミスったのか実写パートと特撮パートの意思の疎通が上手く行っていなかったのか、脚本やイメージボードによる、映画の仕上がりに対する意思疎通が上手く行っていなかったのか、そもそもそんな矛盾を気にしなかったのかは分からん。
もしかして、最悪にも「子供にゃ分かるまいと」思っていたのかもしれない(映画全体の作りは、そこまで子供をバカにしているとも思えん出来なので、そうではないと信じる)。
このあたりを作りこんでいれば、同じ脚本でもあと一段は確実に面白くなったと思う映画であった。
ちょっと惜しいぞ。