ハリー・ポッターと炎のゴブレット
監督:マイク・ニューウェル
出演:ダニエル・ラドクリフ/ルパート・グリント/エマ・ワトソン
2005年/米/157分/戸田奈津子/☆☆☆
批評 魔法使いって人じゃないらしい (自称) から、ひょっとして人権無いのか?
他に類を見ないジェットコースター・ファミリームービーシリーズ「ハリー・ポッター」も四本目。
シリーズが続くと、映画は出来どう事ではなく、続くことそのことに意味が出てきてしまう。
本シリーズも同じ。
しかも、本作では原作の J・K・ローリング曰く (原作は二巻まででやめた)、"どんどん暗くなる"に基づき、暗い内容になり、それ故に単なる「ジェットコースタームービー」になってしまっている。
もっとも、シリーズ物で内容がどんどん変わるのもよくある話であるわけだが(スパイアクションだった 007 が超人大活躍になったり、ゴジラが着ぐるみプロレス大会になったり等、シリーズ物の末路は悲しい事が多い)。
ジェットコースターっぷりも、本作では磨き磨かれている。
そもそも、メインストーリである三大魔法学校対決が、どう控えめに見ても「四代魔法使い対決」にしか見えないし、前半にハリーにかけられる「他の連中は、(ハリーには)想像もつかないような魔法を使える」と言っているわりに対した事は出来ていない。
魔法対決も、「競技者には命の危険さえある」とされているが、水中戦となる二回戦では、競技者よりも巻き込まれた一般生徒の方が「命の危険」にさらされまくるという人名と人権を無視した恐るべき競技だ。
他にも多数の疑問、問題、混乱があるが、回答はほとんど提示されないし、その事に疑問を持つ暇も無い。
あまりに早い展開故、疑問を感じたときにはもう手遅れ。
「なぜ?」「なぜ?」「なぜ?」「なぜ?」「なぜ?」
謎は謎を呼び、そもそも謎なのか脚本が未整理なのか分からんうちに、映画はエンディングクレジットを迎える。
原作では、すべては自明のことなのか?と問い掛けたくなる強引な展開は、ある意味、おそるべきと言えるだろう。
ところで、途中のパーティーでクラムが着ている赤い服。「スター・トレック」の乗員にしか見えんのは気のせいか?
狙っているんじゃないかとさえ思ったのは私だけか?私だけなのか!?