犬神家の一族
監督:市川崑
出演:石坂浩二/松嶋菜々子/尾上菊之助[5代目]
2006年/日/135分/☆☆☆☆
批評 出来は良いが、狙いの見は見えない映画
あまりにも有名な、金田一小説の金字塔。
編集や脚本を、ちょっとだけ変えてあるものの、過去の作品を新しいキャストで、昔と同じように撮影した映画。
はっきり言って、過去の映画を見ている人が、この映画を見る必要はほとんど無い。
なぜならば、間違い探しかと思うくらい、過去の作品と酷似しているからだ。
確かに、過去の映画など見ない最近の観客に見せるためには、新作で公開するのは効果的でもある。
だが、過去の作品を見たければ、過去の作品を、デジタルリマスタリングしてそのまま上映すればよいのでは?という疑問にも繋がる。
ウィリアム・フリードンキン「エクソシスト」のデジタルリマスタリング版が、劇場公開され、ヒットを記録したのは、記憶に新しい。(もう6年も前なんだがな)
面白い映画ではある。
出来も悪くない。
しかし、セルフリメイク作品である事を考えた場合、この映画がなにを狙ったのかはよく分からない。
商業映画であることを考えた場合、どういう客層を狙ったのかは、それ以上に分からない。