レディ・イン・ザ・ウォーター
監督:M.ナイト・シャマラン
出演:ポール・ジアマッティ/ブライス・ダラス・ハワード/フレディ・ロドリゲス
2006年/米/110分/古田由紀子/☆
批評 シャマラン映画 = ネタの方程式は自明になりつつある
ある夜、アパートのプールに水の精がいた。
あぱーとのみんなできょうりょくして、みずのせいを、じぶんのくににかえしてあげるおはなし。
ひらがなで十分、本当。
登場人物は、都合よく、といいうにはあまりにも唐突に、次から次へと現れる。
展開も「ゆうしゃよよくきた」のごとく「xx をさがしてくれ」と言われると、たいした苦労も泣く次の瞬間アイテムや人間を探してくる。
そりゃぁもう恐ろしい勢いだ。
登場人物がミスリードしていても、観客がミスリードされることが少ない (無い、とは言わん) のはいつものシャマラン映画のとおりだが、この映画では、まともにミスリードさせる気があるのかどうかさえ疑わしい。
まともな伏線も、無いしね。
全体を通してみると、「シックス・センス」的な映像技巧 (空回りしていたが) があるわけでもなく、「サイン」ほどぶっ飛ばした電波が出ているでもなく、ただひどい脚本の、よくある程度の駄作映画であった。
いろんな意味で、物足りないな。これでは。
なお、シャマランは自分の映画を口悪く言う映画批評家に強い殺意を抱いているようだ。映画批評家は作中ひどい役割を負わされ(一人で、みんなをミスリードさせる)、登場人物中ただ一人の死者 (ヒロイン以外は、怪我さえしない) として、けっこう惨い殺され方 (喰われたのか
「批評家の意見なんて知ったことか」と言い放つジェームズ・キャメロンの方が、かっこいいぞ。