虹の女神 Rainbow Song
監督:熊澤尚人
出演:市原隼人/上野樹里/蒼井優
2006年/日/118分/☆☆☆☆
批評 岩井俊二、監督作品!?
ずっとそばにいた。
だからこそ、言い出せなかった。
失って気が付いた、彼女のことに・・・
という、比較的良くある話を、カットバックで、男女の距離に的を絞って画いた作品。
作品としては、格別「何か」がある話ではない。
学生自主制作映画に始まって、社会人になるまでの「思い出話」だ。最大級のイベントは、冒頭にしかない。
その、分かっている事実に向かって物語が進む。
この物語も、男女の「距離」を淡々と画きつづけているだけの話だ。
これは本当に上手い。
とは言え、作品全体からは、監督というよりも、プロデューサーの岩井俊二の匂いがする。
演出、カメラ、編集等のスタッフが、思いっきり岩井組なので、仕方ないのかもしれない。
これは映画の出来とはまったく別に言うのだが、今後、この監督独自色が出てどうなるか、興味がある。
そんな分けで、作品は、好き嫌いのが激しいと言われる岩井俊二のそれである。
私はあの雰囲気が好きなので誉めているが、嫌いな人は決してみてはいけない映画だと言えるだろう。