THE 有頂天ホテル
監督:三谷幸喜
出演:役所広司/松たか子/佐藤浩市
2005年/日/136分/☆☆☆☆
批評 ホテル物としては致命的な欠陥がある
年越しのカウントダウンパーティーに向けて大忙しのホテル。
宿泊客も従業員も、あっちにこっちに大忙しっ!!
主人公不在のグランドホテル形式の映画。
三谷幸喜が、その元祖であるエドマンド・グールディング「グランドホテル」を念頭に入れていたのは、クラシック映画ファンならかなり早い段階でニヤリと分からせられ、あとで説明されてちょっと興ざめ。
もっとも、一般客に分かってもらうためには仕方ないのだろうが。
肝心の内容だが、残念ながら「グランドホテル」ほど良い映画には仕上がっていない。
特に、もっとも致命的な問題は、こんなホテルには泊まりたくないと観客に思わせてしまう部分だろう。
スイートルームでさえ、隣の部屋の音が駄々漏れ。
客室係は客の装飾品を勝手にいじりコートまで着る。
老舗というわりに、マスコミ対応も満足に出来ていないホテルスタッフはもちろんだが、仕事をサボりつづけているとしか思えない現場スタッフが複数いるようなホテルなのだ。
少なくとも私は、こんなホテルには泊まりたくない。
瞬間的に笑える状況は連続しているので、面白いう事は面白い。けど、上記の理由で「大爆笑のまま突っ切る」映画にはなっていないように思う。