ココ・アヴァン・シャネル
監督:アンヌ・フォンテーヌ
出演:オドレイ・トトゥ/ブノワ・ポールヴールド/アレッサンドロ・ニヴォラ
2009年/仏/110分/松崎美奈/☆☆
批評 ファッションショーは最後の一撃
孤児院で育った、ココ・アヴァン・シャネルが、世界市場に名をはせるブランド「シャネル」を設立する前で。
決定的な欠点は、事実上一つ。
ココ・シャネルの人間的な魅力が、まったく伝わってこないこと。
いつも不機嫌そうなココ・シャネルに、なぜ男達は惚れるのだろう?
これがまったく完全に理解できない。
少なくとも、私は、どこに感情移入すればよいのか分からなかった。
ココ・シャネルはココ・シャネルで、「愛なんて信じない」「男なんてセックスの相手でしかない。男がいなくて出来るなら、必要無い」とまで言っていたにも関わらず、いともあっけなく愛におぼれる。
こんな主人公のどこに、感情移入すればよいのだ?
応援したくなる要素の無い主人公に共感することは難しい。
この映画は、そんな単純な事実をよく教えてくれた。