ワイルド・スピード MAX
監督:ジャスティン・リン
出演:ヴィン・ディーゼル/ポール・ウォーカー/ミシェル・ロドリゲス
2009年/米/107分/岡田莊平/☆☆
批評 カーアクション映画なのに、そこに迫力がないってのは
第一部の正当なる続編。
善人も悪人も皆でカーチェイスする映画。
物語が破滅的に面白くないのはほうっておく。
登場人物が皆知っているが、なぜかライバルだけが知らない事実が唐突に明らかになる瞬間など「はぁ!?」という感覚になりまくるが、些細な問題だ。
麻薬運びの方法が「???」なのも、放置しよう。
この映画がつまらない理由は、そこにはない。
この映画がつまらないのは、悲しいほどにカーチェイスに迫力が無いからだ。
前作、「TOKYO DRIFT」では、ドリキン土屋が、映画的に面白いドリフトと、名まで迫力のあるドリフトの区別がつかなかったのか、それともたんに撮影がへたくそ (たぶん両方ともなのだが) だったのかは不明だが、やっぱりカーチェイスには迫力が無かった。
しかし、本作ではそれよりも、さらに迫力が無い。
見せ場になるカーチェイスが、なぜかフル CG だからだ。
フル CG が悪いという気は無い。
だが、カーチェイスの面白さは、破壊の面白さであり、モブの面白さだ。
対向車をよけ、障害をよけ、ライバルをぶっ潰す。
全て CG でやるのは、本当に大変なことだ。
逃げるためか、この映画ではすべてトンネルの中という超限定空間で行われる。
対向車はもちろん無い。
障害も、たいしたことが無い。
映画のど真ん中にある街中でのカーチェイスも、だいぶん CG でごまかしてはいたが、そっちの方がよほど面白い。
なぜだ!?
なぜ最後につまらないアクションを入れる!?
ジェラール・ピレス「TAXi」型の破滅が、カーチェイス映画の流行なのか!?