ハリー・ポッターと謎のプリンス
監督:デヴィッド・イェーツ
出演:ダニエル・ラドクリフ/ルパート・グリント/エマ・ワトソン
2008年/英・米/154分/岸田恵子(翻訳) , 松岡佑子(監修)/☆☆
批評 こりゃ最終作も・・・
冒頭の暗い雰囲気は途中でなりを潜め、中盤戦は主要人物によるとっかえひっかえの色恋沙汰が展開。
ホグワーツ学園高校白書かっつーの。
最後に雰囲気が戻ったかと思うと、唐突に台詞ですべてを説明して物語が終わる。
いつからホグワーツはビバリーヒルズに移動したのかと思うような内容だが、物語の異常なまでの展開速度の速さと、放置しまくりの伏線等、相変わらずなので、間違いなく“ハリーポッター”だ。
なにはともあれ、中盤の、明らかに必要の無いエピソードを全て削り、物語り全体のトーンを統一する所からはじめないと駄目だろう。
この映画に必要なのは、そうした、物語構成の変更だと思う。
実際、ロンとハーマイオニーの暴走 (特にハーマイオニーは酷いほどに凄い) や、表裏不明のスネイプ (ホグワーツ教師陣営は、相変わらずの豪華キャストで演技を見ているだけで楽しめる) 等、部分部分ではそれなりに面白い部分もある。
演技も演出も編集・・・はやや問題のある部分もあったが、まぁ許容範囲。
撮影済みの部分だけでも、中盤カットして再構築するだけで、作品は引き締まり、起承転結のはっきりした、まとまりのある映画になるんじゃなかろうか。
原作者やプロデューサ。それに原作原理主義者がそれを面白いというかは分からんが。