ジーン・ワルツ
監督:大谷健太郎
出演:菅野美穂/田辺誠一/大森南朋
2011年/日/111分/☆☆
批評 水面!?
現役医、海堂尊が書く小説は、基本的に現代日本の医療問題を告発する内容に仕上がっている。
今回の「ジーンワルツ」で画かれるのは、産院の問題だ。
なるほど、この映画の中で言いたいことはよく分かる。
言おうとしていることもよく分かる。
しかし、それが成功しているとは、到底思えない。
もっとも致命的なのは、全編を通して、あまりにも緊張感が無いことだろう。
最後、個人病院で医者が二人。看護婦はいない。
診療室は使えない。
電気も無い。
その上、複数人が同時に産気づき、かつそのうちの二人は帝王切開が必要という状況。(作中で、帝王切開手術には最低二人が必要と説明がある)
なのに、「どうするか」を話す医師二人に、まったく緊迫感が感じられない。
口にしている台詞は「どうするどうする」なのに、だ。
なんなのこの組み立ての下手さは。
脚本も演出もカメラも、なんでこんなに真っ平らなんだ?
平坦で成立する映画ではないのに、この真っ平らっぷりではまったく面白くないぞ。