映画「けいおん!」
監督:山田尚子
出演:豊崎愛生/日笠陽子/佐藤聡美
2011年/日/110分/菊地浩司/」☆☆☆
批評 ファンサービス (むしりとり!?) 映画
TV 放送最終話と直結している映画。
DVD 収録の特別編ともつながっているらしいが、そちらは未見なので判断不能。
良くも悪くも「TV 特別編」だと思う。
TV シリーズの映画化ということで、もちろん映画を見ているのは前提条件のつくり。
見ていなければ、内容を理解するのはかなり難しいと思う。
その前提で見ても、画の作り方が TV スペシャルの域を出ないのはとてももったいない。
たとえば野外ステージでの演奏シーン。
“屋内ステージではなく”という対象の台詞まで入れているのに、(野外ならではの表現は入っているものの) 空間的な広がりという意味では表現が弱いように思う。
もっと引き画で全体を写す表現をすれば良いのに。
これは、最後の、教室でのライブシーンもそう。
一人一人を切り出すのはうまいけど、教室全体を一発で抜き出す表現がちょっと弱いと思う。
TV の小さい画面ではこの方が面白いと思うけど、スクリーンの巨大な空間を活かした演出を、もっと見たかった。
これでは、少なくとも「新たなファンの獲得」は難しかろうという完成度といえよう。
実質的な完結編 (コミックスは大学編に突入したらしいので、まだ続く可能性も多分にあるが) なので、新規ファンは必要ないという割り切りなのかもしれんがな。
と、ネガティブな表現をしているものの、シリーズファン向けとしては十分な完成度だと思う。
シリーズファンなら、必見。
そうじゃないならやめておけ。