DOCUMENTARY of AKB48 Show must go on 少女たちは傷つきながら、夢を見る
監督:高橋栄樹
出演:AKB48//
2011年/日/121分/☆☆☆☆
批評 前作よりも、かなり楽しんだ
昨年に続く、AKB48 ドキュメンタリ映画第二弾。
前作が、「メンバー個人のインタビューを軸に、2010年一年間の活動を追う」という内容だったのに対し、本作では「2011年の活動を軸に、メンバー個人のインタビューが補足する」という構成になっている。
メンバー個人を把握していない私のような人間には、より分かりやすい。
とはいえ、「一年間を時系列で組み立てる」というスタンダードな構成は、二つの大きな欠点を産んでいる。
一つは、映画としてのピークが分散していること。
震災と AKB48、海外公演、選抜選挙 (という名前の人気投票) や西武ドームコンサート。
レコ大、紅白歌合戦はエピローグになっているが、少なくとも三つが大きな柱になってしまっている。
メインは、おそらく西武ドームなのだろうが、インタビューの主軸は震災と選挙。
これは、正直80分くらいの、二本の映画に分割した方がまとまったんじゃなかろうか。
また、時間が無くなったことと相まってか、西武ドームでのコンサートは見せ方もうまく行っていない。
初日に「最低のコンサートだった」とプロデューサーに言われ、それを自覚していたメンバーが、二日目に備えて (作中では二日目のように描写されているが、どうも二日目と三日目を組み合わせて構成しているようだ。意図的にミスリードさせているもの思われる) 立て直す。
裏の混乱ばかりが描写されるが、駄目だった面がほとんど出てこない。
裏でも十分駄目っっぷりが伝わってくるのだが、ここはクロスカットで「表も裏も」見せてくれれば、立て直した後がもっと面白かったのではなかろうか。
時間だけじゃなくて、「コンサートのソフト買え」という商業的な理由もあるのかもしれぬがな。
もう一つの欠点は、必然的に「一年間追いかけていたファン」からすれば、「知っているよ」という内容がほとんどになっている可能性が高いことだ。
これは、すごく残念。
このタイトル、予想される内容じゃ、私のような一部の例外を除き、ファン以外は劇場に来ないだろうからな。
かくいう私も、プロデューサーが前作の岩井俊二では無くなったので、はっきり言って興味は消失していた。
しかし、熱狂的 AKB48 ファンから前売り券を500円で購入していたので映画館に突入した次第。
正直、拾い物であった。
これがあるから、映画鑑賞はやめられない。