ネイビーシールズ
監督:マイク・マッコイ/スコット・ウォー
出演:-/-/-
2012年/米/110分/池村正志/☆☆
批評 カタルシスが欲しい
潜入操作中の CIA 女性局員がテロリストに拉致された。
米海兵特殊部隊シールズに奪還命令が発令。
米国の平和のため、今日もシールズは戦うっ!!
という映画。
基本的に、ネイビーシールズ (ネイビーは海兵隊を指す。米軍には、陸軍、海軍、空軍、実質的な第四軍として海兵が存在。シールズが部隊名称) が大活躍して、米本土に迫るテロリストの攻撃を阻止する話。
プロパガンダ映画なんだから、さぞやシールズのカッコイイ戦闘シーンを山盛り見せてくれるんだろう。
前半はたしかにそう行く。
HALO で降下する潜入部隊と、別ルートから支援部隊が進入する部隊が、予定外の事態に遭遇しながらも任務遂行をして行くシークエンスはかなり面白い。
カーチェイス中は、なんで手榴弾投げつけないの?と思うが、最期に、トラック相手にガトリングガンで制圧するシーンの弱いものいじめ感を思えば些細な問題だろう。
しかしそれも最期の戦闘シーンでかみ合わなくなる。
リアリズムから言ったらそうなんだろうとは思うのだが、地味なのだ。
テロリストの自爆攻撃のタイミングを後ろにずらすだけでもだいぶん違うと思うのだが、最期の戦闘に、決定的なまでにカタルシスが無い。
街中に入ると戦闘を覚悟、みたいな台詞があるが、その割りに建物の内部でしか戦闘が進行しないのも弱い。
街中あんだけ警戒しているんだから、家屋突入後に、外部からの攻撃をどう支えるのかとか、包囲状態からどう脱出するのか等、ラスボス倒した後を含めて、まだまだ描写するべき部分があるのに、主要人物二名の感情面ばかり追いかけていて、肝心の戦闘描写がおざなりになってしまう。
やっているのは現役シールズ隊員なんだから、感情表現の細かい演技は見所になりえないってことは、容易に分かるだろう!?
これなら、「世界侵略:ロサンゼルス決戦」の方が、はるかに「米軍最強!!米軍最高!!」ってなるよなぁ。
その時点で、駄目じゃなかろうか。