おかえり、はやぶさ
監督:本木克英
出演:藤原竜也/杏/三浦友和
2012年/日/114分/☆
批評 予想通りではある
工学実験機「はやぶさ」を取り扱った映画、現状判明している最後の一本。
究極的に言って、この映画はなにを言いたいのだろう?
主人公を軸とした中途半端な人間ドラマが、ありとあらゆる意味で脚本の緩さを生み出していると思う。
主人公自身が抱える、父親との確執という家族物語?
職場の同僚が抱える、妻が病気という家族物語?
最後に突然出てくる、主人公の恋愛物語?
失敗に終わった火星探査機「のぞみ」に始まって、現在なお実験の続く「イカロス」までの宇宙研の物語?
多くの要素をいれ、いろいろな解説を入れているのは分かるし、分かりやすく、分かりやすく、分かりやすく説明を入れているのもよく分かる。
けど、だからといって、軸のぶれた脚本を肯定する理由にはならんよ。
「HAYABUSA BACK TO THE EARTH」「はやぶさ」「はやぶさ、遥かなる帰還」「おかえり、はやぶさ」。
プラネタリウム映画の「HAYABUSA BACK TO THE EARTH」は脇においておいて (学習目的のプラネタリウム映画としては秀逸な出来だが、劇映画としては問題が多すぎる)、劇映画として作られた後ろの三本は、公開が後ろに行くほど出来が悪くなってゆくという、予想されていた通りの惨事となった。
なぜ、製作時間に余裕があったはずの脚本のほうが、出来が悪くなって行くのだろうか。