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パシフィック・リム
監督:ギレルモ・デル・トロ
出演:チャーリー・ハナム/イドリス・エルバ/菊地凛子
2013年/米/131分/松崎広幸/☆☆☆☆

批評 乗れる馬鹿だけ乗るが良いさっ!!

 次元の裂け目から侵攻してきた巨大な怪獣。
 それに対抗するために、人類は人型巨大兵器イェーガーを生み出した。
 というのが大まかな内容。
 あとはもう、巨大ロボットvs.怪獣のどつきあいが延々と描かれるのみ。


 中身はない。
 空っぽだ 


 だが、B級映画ってのは、そういうもんだろう?
 こういう馬鹿馬鹿しい映画が、俺は大好きだっ! 


 という製作者の雄叫びが聞こえてきそうな出来。
 日本のアニメや、日米の特撮、ゲームへの偏愛に満ち溢れた狂乱の二時間であった。

 んが、しかし。

 何事にも完璧はない。
 まず、通常兵器が効かない描写が貧弱。
 航空機がバタバタ落とされる描写があるだけ。中野的爆発、とまでは言わんが、戦車大隊が消し飛ぶ描写が欲しかった。
 敵の強さと、人類の恐怖感を煽るためにも。
 幼女が一人で絶叫しながら走っているだけじゃ物足りないっ!!

 次に、もうちょっと戦闘の見せ方を工夫して、魅せてほしい。
 「トランスフォーマー」(初代)は、こうした見せ方が実に上手かった。
 CG 駆使してのハイスピードバトルをやりたいのは分からんでもないが、それでもねぇ。

 最後に、ある意味これは重大な欠点。
 なぜイェーガーの出撃シーンが無い!?
 コックピットが本体にパイルダーオンした所で終わりだと?
 基地に集結するシーンはあるのに(全イェーガー説明のために必要だったのだろう)、出撃シーンは無い?
 基地の構造材の向こうを、傾斜エレベーターで出撃位置に向けて出撃する贅沢さは求めぬが、それでもこれじゃワンダバが足りぬっ! 

 と、割と本筋とは関係のない (たいした本筋ではない、という側面はあるにせよ) が極めて重要な要素がかけていたことを指摘したい。

 偏愛を受け入れられない人にはかなり厳しい映画だと思う。
 しかし偏愛を受け入れられる人にとっては、満面の笑みで突っ込みながらゲラゲラ笑って楽しめる2時間となるだろう。

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