最低映画への有罪判決
第弐拾参回「バトルフィールドアース」を斬る
今回はいつもと趣を変え、創作童話「ジョニー君、地球を取り戻す!」をお送りいたします。
1000年後の未来に宇宙の大半を支配をしている、とってもツオイ民族。それが戦闘民族サイヤ人...ではなく、サイクロ人。
彼らは地球をわずか9分で制圧するくらい、彼らはツオイ民族でした。
けど、地球は所詮田舎なんです。その田舎の惑星で支配軍司令官に左遷された(自称)エリートのタール君は、本社サイクロ星の重役に腹を立てて、横領を企てます。
幸い、彼らは今だに金 (カネじゃなくてキン、Gold の方ね) よりも価値のあるものは見つけていません。そして地球には彼らがビックラぶっこくくらいの金がたぁくさんあったので、それはそんなに難しいことではなかったのでした。
しかし、あぁなんと言う悲劇。タール君はエリートだと自分で思っているだけで、どうやらかなり頭が悪かったらしく、どっかの朽ち果てた銀行の金庫でも狙えば良いものを金の鉱脈を見つけるなり掘ろうとするのです。が、しかし。見つけた鉱脈はすぐそばにウラニウムの鉱脈があったんです。
彼らの呼吸している呼吸ガスは、ウラニウムと反応すると大爆発してしまうのです。タール君は、金は欲しかったんですが、命はもっと惜しかったんです。
宇宙を支配しているわりに、気密服の開発には成功していなかった彼らは、反抗的な地球人ジョニー君に教育を施し、彼を経由して家畜たる地球人類に掘らせようとします。
ジャイアン並ひ貧弱な語彙で、利用してやろうとしているジョニー君をいじめるタール君は、本当に恐ろしいです。
渋谷あたりの馬鹿女子高生から奪ってきたとおぼしき厚底靴に、麻原某よりワイルドな髪型。そして鼻水のごとく垂れ下がったフェイスマスク。
こんな怖い格好をしている人には、絶対に近づきたくないです。
そんなタール君は、ジョニー君たちを採掘場のそばまでヒコウキで運んできますが、ウラニウムとの反応が出てしまってある程度からは、歩いて行け!!と背中を押します。
タール君は「偵察ポッドでお前を監視しているぜ!!」と、可視範囲に偵察ポッドを飛行させて帰ってしまいます。
さて採掘場にたどり着いたジョニー君。空気中に充満しているウラニウムという意味不明な状況で、放射線障害で即死...などということにはなりません。
ジョニー君はみんなを引き連れて、偵察ポッドの見えないエリアから、別の場所に歩いて移動します。
1週間ほどかけて北アメリカ大陸を徒歩で横断。かつての世界の中心ワシントンにたどり着きます。すごい脚力ですね。高橋尚子もビックリです。ところで偵察ポッドはなんの役に立っているのかな?
そこで金を入手し、掘るまでも無く金をゲット。ジョニー君はなかなか手抜きの方法を知っています。掘るのと全米一週間徒歩横断のどちらがつらいのかは分からないですけどね。
ジョニー君はワシントンで、それまで原始時代を生きていた連中に戦闘機の操縦方法を覚えさせます。数日で。すごい教育能力です。現代日本の進学校か学習塾か予備校から引っ張りだこでしょう。
そして、千年近く放棄されていた戦闘機も稼動状態にします。数日で。整備能力は、確実に現代科学を越えています。きっと見ただけで内部がどうなっているのか分かったのでしょう。コックピットに始めて乗ってガンダムを操ったアムロ・レイと同じくジョニー君もニュータイプなのかも知れません。
環境が整ったところで、ジョニー君はサイクロ人撃滅作戦を考えます。
援軍にこられると面倒なので、本星をてっとり早く核爆弾でふっ飛ばしてしまおうということです。サイクロ星は呼吸ガスが充満しているので、彼らの使っている転送装置を使えば簡単に出来ます。
次に、呼吸ガスがなければ呼吸できない彼らの生き物としての性を逆手に取り、彼らが地球で生活しているドームを破壊してしまおうという作戦です。
さぁ、いよいよタール君が金を取りにきます。
その前に準備を整えて、反撃したいジョニー君。執念でまた歩いてアメリカ大陸を横断します。
そして反撃開始!!
手始めにサイクロ星を核攻撃で吹き飛ばし、ドームを破壊。
...あれ?地球を9分で壊滅させるほどのツオイ民族サイクロ人が、なんだかボロボロボロボロ殺されて行くよ?
こうして地球人は、地球を取り戻しました。メデタシメデタシ。
教訓。
キレ安い社員を無理やりリストラすると、本社を巻き添えにするくらい重大な事件を起こす。
だから地方に飛ばすくらいなら、退職金をタップリ渡して首にしろ。
...違う?そう、違うのか。