塩田明彦「害虫」☆☆☆☆。
この監督は、前作「ギプス」もそうだったけどとにかく説明をしない人なんですな。そりゃもう徹底的に説明をしない。
そして尊敬してるのは溝口健二か!?と聞きたくなるくらい主人公の中学生の女の子をいじめる(あまりにも女性をいじめるため、私は溝口の映画が嫌いだ)。
宮崎あおいの不機嫌そうな顔は、こう言うときに絶妙な力を発揮するね。
森淳一「ランドリー」☆☆☆☆。
純粋過ぎるほどに純粋な青年と、失恋し盗癖までついた寂しくも美しい女性の恋物語。
良いね。とても良い。
今月見た恋愛のからむ映画は、ことごとく恋をして愚かに成る話しだったが、これはボロボロの人間と純粋な人間が恋をする話。恋とは愚かかも知れないけれど美しいという内容。ちょっと「フォレスト・ガンプ」的な内容か?
こちらも役者が良い味を出している。窪塚洋介と小雪、そして脇を占める内藤剛志が最高です。
恋愛とは裏切らないってことなんですな、きっと。
今日は豪華二本立て!!来月期待の映画だ。とは言え、実はもう始まっている映画が多い。
すでに始まっているが、一番の期待作はリドリー・スコット「ブラックホーク・ダウン」。ソマリア戦線で敵陣
で撃墜された米軍特殊部隊の救出されるまで続いた悪夢のような戦闘を描いた作品。
なにげに気になっているのがペニー・マーシャル「サンキュー。ボーイズ」。不幸にも十代でシングルマザーになった主人公が、息子に助けられて小説化としてデビューするまでの、実話ベースの小説の映画化(変な変な日本語だがだ)。
絶対に B 級だろうということで、ジム・ギレスピー「D-TOX」。だってスタローン主演だし。雪の中で繰り広げられる、殺人鬼と警察官の死闘。
イアン・ソフトリー「光の旅人/K-PAX」。私の好きな“変な役がよく似合う”ケビン・スペイシー主演。なんでも今度は、宇宙人だと力説する男の役だとか。相変わらず変わってるね。
ニルス・ダヴィルニエ「エトワール」。パリ・オペラ座のバレエダンサーのドキュメンタリー。今まで日の当たることの無かった舞台裏を見せてくれるんだそうだ。
これは完璧に見落としていた。いつのまに始まっていたのよ、これは!?というダリオ・アルジェント「スリープレス」。
監督はもちろん、主演マクスフォン・シドー (言うまでも無く「エクソシスト」のメリン神父である) というだけで見逃せない理由には十分だ。
チアン・ウェン「鬼が来た!」。第二次大戦中、日本軍に占領された中国の村でおきる、麻袋に入れられてきた日本兵と、それを預けられた中国人の建立と、事の顛末。
−30日−
思ったより早く用事が終わり、では!と「ランドリー」を見るべく渋谷に行く。
上映開始30分前についたんだよ?私は!!
なのに入れない (立ち見無しの完全入替だった模様) とは...想定してなかったぜ。
約60分後に「エトワール」が上映開始だが、今見たい気分じゃない。く、やむをえん。撤収。
帰宅して DVD で宮崎駿「紅の豚」を見る。
???音が、微妙に記憶と違う。良くなったとか悪くなったとかじゃなくて、違う感じがする。DolbyDigital になったからか?
それとも、私が劇場で見たときはこの音だったが、後に帯域が狭くステレオに過ぎないビデオで見たときの音で記憶してしまっているからか?謎だ。
それにしても、この映画はレシプロ機(プロペラ飛行機)マニアにはたまらん作品の一つだねぇ。
−29日−
「サンダーバード DVD コンプリート BOX Vol1」 & 宮崎駿「紅の豚」の DVD 購入。
「サンダーバード」はゆっくり見て行こう。なにぶん量が多い。そして次が出るのは6月末。参ヶ月もある。参ヶ月しかない、のかもしれんが。
「紅の豚」は、英語版と合わせて仏語版も入っているんだそうな。仏で主人公ポルコ・ロッソを演じるのはジャン・レノ!
すまんが今は「WASABI」のイメージしか出てこん。おかげで笑いがこみ上げてくるぞ。
冒頭数分だけ見たが、その時点で思うことは唯一だ。
「やはりジャン・レノは声優なんざやったことがないんだろうなぁ...明らかになれてねぇ...」
−28日−
読売新聞に掲載されていた、警察庁の研究会が実施したアンケート調査がとても面白い。
アンケートは山形、東京、大阪、島根の4都府県の中高生539人と保護者465人が対象で行われたとのこと。
文部科学省の Web には 2000年 (平成12年) のデータしかなかったのだが、その時点での中学生が約410万人(4,103,717人)、高校生が約415万人(4,165,434人)。合計8269151人。
二年前と今では若干生徒数は違うだろうが、それでも恐るべきサンプルの狭さだ。
全文はまだ読んでいない (現時点で警察庁の Web に乗っていない) が、読む前の時点ですでに面白い。
この面白そうなアンケートの結果が、まぁいくつか載っているわけだが、一番笑えたのは
男子高校生の37.1%、男子中学生の9.6%がネット上のポルノ画像を見たことがあると答えた。
というデータだ。
男子高校生に「エロ本は読んだことがあるか?」とか、「AV を見たことがあるか?」という調査を行ったデータというのは知らないが(おそらくあるだろうが)、そうした数値と比べて大幅に多いのか?
そんな疑問符が頭から離れないまま、
インターネット関連業者とともに家庭や学校でも、子供に有害情報に触れさせない取り組みをすることが重要だ。
という結論が出ているんだそうな。
上記のエロ本、AV と比較したら、インターネットのほうが「有害情報に触れる機会が少ない」という結論が出るように思うし、結局インターネット = 悪という結論を出したかっただけじゃねぇのか?と疑わざるをえん。
さもなきゃ多角的分析という基本原則を知らないかだな。
う〜む、今日は社会派な新日記であった(どこがだ、オイ。というツッコミは禁止する)。
−27日−
だいぶん時間はかかったが、ようやく「SERIOUS SAM THE SECOND ENCOUNTER」をクリア。
所詮 EASY だけどな。EASY でも十分難しいから良いんだよぉ!!久しぶりの FPS で腕がナマってたんだよォ!!
気を取り直して、ゲームはクリアしてしまったが、「ぼくは航空管制官」の新作がすぐに出るし、PS2 で「ARMORED CORE3」も出るし(こっちはすぐには買わんが)。
しばらくゲームが切れることは無かろう。
他にも欲しいゲームはちょろちょろっとあるしね〜。気になってるだけだから買うかどうかは分からんけど。
ゲームではないが、来週には PC の動画編集ソフト「POWER DIRECTOR2.0」も出る。
あれが出れば VideoCD にメニュー画面をつけることも可能だ。
今後はビデオキャプチャした動画をメニュー付きVideoCD にするのもたのしそうだ。
PS 用 VideoCD アダプタ (PS で VideoCD を見るためのアダプタ。もちろんだが SCE 非公認) を持っている私は、なにげに VideoCD は便利なのだよ。VCD プレイヤーを持ってりゃもっと楽なんだろうがな。
そんなこんなで、来月は久しぶりに PC マニアックネタが増える...かもしれん。
−26日−
私が映画酷評の Web を持っているという話をしていると、こう聞かれた。
「井筒監督の批評みたいなもんですか?」
なんたる屈辱!!
深夜放送で四回ほどしか見たことがない (「トラフィック」「JSA」「トゥームレイダー」「マルホランド・ドライブ」のみ) にも関わらず、己の知識不足 (「トゥームレイダー」では、惑星直列にたいする知識を持っていないことを露呈) や本当に見ていたのか聞きたくなる (「JSA」で、誰が誰を殺したのかよく分からないとほざいた) 批評を述べていた。この時点で一緒にされるのは勘弁して欲しい。
批評に関しては“勘弁して欲しい”程度だ。
だが、しかし。あの男は TV 中で万死に値する行動を二つ、私が見た乏しい放送の中でさえ幾度かやっている。
一つ、作品上映中に同伴の人物と会話したこと。
二つ、上映前に「お前なんかが見ても分からん」と観客を馬鹿にしたこと。
こんな大罪を犯している人間と同じにみなされるのは、我が人生の汚点!!
他にも「上映中に寝るなら、外で寝ろ」(一度寝て、起きてからもう一度寝るくらいなら特に) とか、「途中でトイレに出たら、戻ってきたら通路側の席に座れ」(横切られるのは非常に迷惑) など、著しいマナー違反者だこいつは。
こいういうヤツがいるから、映画館に行く気が無くなるんだよ。こういうヤツがいるから、私は上映中に「五月蝿い黙れしゃべるな」と言うはめになり、上映後に「黙って見られんのか、このボケナス」と言うはめになるんだよ!!
そんなヤツと私を、一緒にするな!!
−25日−
今日はアカデミー賞授賞式であった。
あったので TV の前に張りつくべく有給をとった...のだが、いろいろあって崩壊。
我が友 fennek と共に千葉県勝浦市にある宇宙開発事業団、勝浦宇宙通信所に行く。
非常に楽しい施設であった。
特に、元々衛星追跡に使用していたパラボラアンテナのうちの一機を操作させてくれるのは嬉しい。
そのアンテナの直径は実に13m、土台を含めた総重量は96t。
その巨大なものが非常に滑らかに動く。驚くくらいの速度で、静かに、滑らかに動く。
「このサイズのものが、こんなに綺麗に動くのか!!」と驚嘆していたところ、解説のお姉さん曰く
「現在は電源が家庭用の者に切り替わっているので、動作は実稼動機の半分程度の速度になっています」
...なんですと!?これで驚いていてはいかんのですか!?
なんつーか、すげぇですな。技術の最先端というのは。
−24日−
明日はアカデミー賞!ということで、本日は第22回ゴールデン・ラズベリー賞の授賞式であった。
念のため説明しておくと、ゴールデンラズベリー賞というのは、この Web で言うところの“最低映画賞”である。ま、この Web と相反することも少なくないけどね。
「ブレアウィッチプロジェクト」とか。
ま、良いや。今年は「パール・ハーバー」が硬いかと思いきや、「パール・ハーバー」は受賞しませんでしたな。こりはびっくり。いや本当に。
最多受賞は5部門受賞(作品賞、最低主演男優賞、最低スクリーン・カップル賞、最低監督賞、最低脚本賞) した「Freddy Got Fingered」。
さすがに見てない映画との比較はできんな。
それにしても「Freddy Got Fingered」は「パールハーバー」よりひどいのか。それはそれですごいな。
−23日−
「ロード・オブ・ザ・リング」は、私の予想を大幅に裏切って (正直、ここまで当たるとは思ってなかった) 大入りが続いているようだ。
一部劇場では立ち見まで出ているとか。
2時間58分の立ち見というのは、なかなか恐ろしい体験だと言えよう。
そういや「タイタニック」でも立ち見がいたな。あれで3時間16分。
最近だと、先月私がリバイバルを見に言った「ベン・ハー」。途中に休憩があるとは言え、3時間42分。これで立ち見をやっていたヤツは修行しとるのかと思ったぞ。
最強の立ち見は、1999年にリバイバル公開された「風と共に去りぬ」の3時間54分の立ち見だろう。途中で休憩があるとは言え、4時間立ちっぱなしだぜ?正気か!?
と、いつもとは若干違う場所に座りつつ (だって座れなかったんだもの) 思ったものだ。
そんなこんな「長時間立って映画を見るってのは正気じゃねぇよ」という会話をしていた今日この頃。
会話の最後に、私は笑顔で刺された。
「一日に二本も三本も映画館で見る人も、十分正気じゃない」
な...なにも言い返せん...
−22日−
今日は映画館だ。映画館に行くのだ!!と朝の目覚めと共に脳味噌が叫んだ。叫んだのでその声に従う。
会社?有給ッス!!
ミシェル・ゴンドリー「ヒューマンネイチュア」☆☆☆。
後半でそれまでのコメディのテンションが落ちて、説教が始まったのが致命的。それさえなければもっと良い映画になったと思うんだけどね〜。
個人的に思うのだが、女性から迫ってきたとしても、二股はかけた男が悪いと思う。つーことで、ひとつ(見てない人間置き去り))
ミヒャエル・ハネケ「ピアニスト」☆☆☆☆。
中年となった娘の人生にやたらに介入する母親と、それに従って生きてきた娘。
その娘に若い男が愛を告白してきて...
とプロットだけ聞くと純愛物かと思い来や、欲求不満に陥っているヒロインは感情が欠落し、ポルノショップに通い、SM 願望まであって、と人生の大崩壊へ向かう恐ろしい話し。
今日見た映画には共通するテーマがあった。
人間は愚かである。
恋愛は、時として愚かな人間をもっと愚かにする。
愚かになるような恋愛はしたくねぇな。そう強く思うぞ、私は。
−21日−
昨日購入した、深作欣二「復活の日」プレミアム DVD-BOX を見る。
さすがの出来だねぇ。かつてパワーのあった日本映画を感じさせてくれる。今や忘れられた“超大作”という枕詞が似合う映画だ。
DVD はには、劇場予告編はもちろん、公開当時の TV 放送用に作られたと思しきメイキング等の映像、プレス資料をまとめたと思しきブックレット。
イメージボードが封入特典故に折られているのが悲しいが、豪華な内容と言える。なにせ海外公開用の「VIRUS」まで入っているのだ。
これだけの特典が入って5800円(税別)。非常にお買い得感の高い DVD と言える。角川も太っ腹である。
フジ TV 発売の蔵原惟繕「南極物語」(ブックレットやイメージボード、海外版は入っていないが4800円) の DVD-BOX も非常に充実した特典内容であった。
このあたりの姿勢は東宝に見習ってもらいたいね。本編と予告編だけで同じ値段だもんな。
−20日−
我、ここに復活せり!!
私の身になにかがあったわけではない。一部では心配をおかけしたようなのでここに宣言しておこう。ま、イロイロとな。
復活草々で悪いが、深作欣二「復活の日」およびヤン・ユノ「リベラ・メ」の DVD 購入!!
「復活の日」は、一説ではカメラマンの木村大作が監督という映画だ。
小松左京の小説を映画にした作品は少なくないが、たぶん最高傑作。
「リベラ・メ」は物語はともかく、ビジュアルパワーはまさに燃えてて良し!!この無駄なまでにあふれるパワーが最高だ。
−16日−
緊急事態が発生した。
こればっかりはどうしようもないという非常事態なので、数日の間(おそらく三日程度)更新を全面凍結する。
昨日の予定も、すべて後ろにずれ込むのは確実という状態だ。
大変申し訳ないが、もうちょっと待ってくれ。
−15日−
一部の人には大変お待たせいたした。明日、ないし明後日には「ステリル」の批評に見えなくもない文章を上げられると思う。
そして、この Web をご覧のほとんどの方々。お待たせいたした。
最低映画への有罪判決「ファイナル・ファンタジー」は、なんとか今月末には上げられそうである。遅くとも、来月頭には上げられるだろう。
今回のは、難しかった...前回の「パールハーバー」が、ツッコミどころが多すぎて大変だったのに対して、今回の「ファイナル・ファンタジー」は、突っ込めない場所を探すのが大変であった。
近いうちに「不実の愛、かくも燃え」や「マルホランド・ドライブ」の批評も上げることが出来るだろう。
まぁ、皆々様。毎度のごとく気長に待って下せぇませ。
−14日−
昨日の日記の内容を訂正する。コピーコントロール CD は、RAW モードをフルサポートしているドライブとソフト (なお、ClonCD は少なくとも現時点ではフルサポートではない) があれば、WAVE への変換もコピーも正常に出来る。
まことにつまらん結論であった。
個人的な意見だが、コピーコントロール CD をそのまま再生するのは止めたほうが良い。違法になる可能性を無視してプロテクトをはずすか、MD かカセットテープに落として聞くことを進める。
通常のプレイヤーで再生したところ、サーボが動きまくるのだ。そのたびにノイズがのるのは無視して (元々の音がそうとう汚いのでたいして気にならない) も、プレイヤーの寿命が削られそうだ。
この CD はもはや不要。捨てると産業廃棄物。中古に売ると新婦の売上に影響するだろうからメーカーの真意ではない。部屋に合っても邪魔だ。聞けない(プレイヤーが我が家にもあった)からいらないと一文書いて、メーカーに送り返したろか。
突然だがここに、リクエストを受けて急遽追加された文章を上げる。
−13日−
先週書いたコピーコントロール CD、BoA「Every Heart」とか言うのを買う。
裏面を見ると...リングプロテクトのような状態だ。とは言え、リングは一本しかない。今は亡き「Bleem!」の裏面から見れば可愛いものだ。
とりあえず PC に入れて (私の部屋において、TV とは PC のことであり、CD-Player とは PC のことであり、DVD-Player と言えば PC のことである) 再生。
HITACHI GD7000(DVD-ROM Drive) と TEAC CDW524E(CD-R Drive) で再生は出来なかった。WAVE への変換も全トラック 9s600ms から先の抜き出しが出来なかった。
ふむ。噂通りの性能だ。
注意書きによると、PC(Windows のみ) で再生するためのデータファイルが入っているそうだ。CD Extra になっていてそこにデータが入っている模様。
単純に HD へコピー & ペースト...は失敗。ふむ。
なるほど。たしかに気軽にコピーすることはできなさそうだ。
んじゃぁ本日の最後、「CD革命 Virtual5」による抜き出し(Virtual6 は買っていないのだ)。
音楽トラックはいままでやってきたことと同じ方法で抜き出すソフトだからダメだろうなぁ、と思うがやはりダメ。
だが、EX トラックの音楽データは正常に聴けるようだ。
ボーカルが思いっきり音をはずしているのは、プロテクトのためではないだろうからな。
つまらん。特殊なことは何もせずに HD にバックアップをとることが出来るぞ。
−12日−
普段は乗っている車はオートマ車である。んが、本日は久しぶりにマニュアル車に乗る。
やっぱマニュアル車おもしれぇ!!
免許を持っていなかったり、日常的に車に乗っていない人には分かりにくいかもしれんが、マニュアル車は面白いのだ!!
ただのんびり走る分にはオートマのほうが楽なのは確かだが、運転することそのものの楽しみは激減する。
マニュアル車は反対に、ただのんびり走るには今一つ向かないが、走ることそのことを楽しめる。少なくとも私はそう思う。
本日は楽しみすぎて会社帰り (地元の駅から実家までは車である) に遠回りをして運転を楽しんでしまった。うんうん。実は車の運転はあまり好きではないのだが、マニュアル車なら楽しめて良いネェ
とかなんとかいいつつ、バックでエンストこいたのは秘密だ。坂道発進は普通に出来たんだがなぁ油断したなぁ。
−11日−
ブライアン・ヘルゲランド「ロック・ユー!」の DVD レンタル。☆☆☆☆。
14世紀ヨーロッパの馬上槍試合にロックサウンズを組み合わせるというのはアイディア賞。
特に冒頭、QUEEN の「We Will Rock You」の大合唱はこれ以上無いくらいの掴みと言えるし、全編を通して楽しめる。時代物にしては若手役者が多いが (近年「恋に落ちたシィクスピア」等も若手が多いが) これなら違和感がない。
物語も、騎士 = 誇り高き者とは、血によってなるのではなく己の心の持ちようによってなるのだ、という定番とは言え普遍的なテーマを真正面から取り扱っている。斬新性はないが、基本アイディアの魅力を引き立たせるには上手いテーマだろう。
キャメラワークや特殊効果も控えめでありながらレベルは高く、試合の迫力はそれだけでもスクリーンで見なかったことを後悔させるに十分な仕上がりだ。
残念なのは、主人公の友人達の物語が薄いことだ。
鍛冶屋が仲間になる過程があまりにもいきなり過ぎるし、二度までも身包みはがされた男が更正するのもあっけなさ過ぎる。
そのあたりの、周辺の肉付けをもう一段作りこめば傑作になれただろうに。
とは言え存分に面白い映画であることに違いは無い。DVD 行くかも。
−10日−
私は当初、この上に留めを刺すかのように「情事」(不倫物...らしい)と「ピアニスト」(異常恋愛物...らしい) で行くつもりだった。
しかし、一昨日の強行観劇、昨日のいかれた映画二本連続鑑賞。
一気に力を回復させる馬鹿映画こそ今の私に必要な映画だ!!ということで、一気に馬鹿映画に向かう。
ジョン・ムーア「エネミー・ライン」☆。
いくらなんでも物語と画に矛盾が多すぎる。画が派手なら良しとする人なら面白いのかもな。
だが、この映画はその役目を十分に果たした、気分転換には十分だ。
− 9日−
私が昨日見に行った劇団レーベル Bo-tanz「ステリル 地下都市の発生学」は月曜までの公演である。何度も言うが誰か身に行ってくれると、私はとても安心する。
では本日の映画!!なにせ今月は見たい映画が多いからな。必殺映画館の梯子!!しかも両方とも単館系!!
リヴ・ウルマン「不実の愛、かくも燃え」☆☆☆☆。
老練な監督らしく、脚本も演出もソツ無く上手い。
台詞による説明を映画的に処理するにはこの方法があったのか!という驚きもある。
問題は、これは好き嫌いの問題になるんだろうが、出てくる主要人物の大人3人が尋常でなくムカツク。
デイビット・リンチ「マルホランド・ドライブ」☆☆☆☆☆?
最後のハテナだが、本当に☆☆☆☆☆なのかいまいち自信が無い。ひょっとすると、実は☆なんじゃなかろうかという疑問が頭から離れん。
どうやら私も、リンチマジックにはまったようだ。
まさかこの映画は、ロールシャッハテストの新型か!?
− 8日−
以前から予告していたように、Bo-tanz「ステリル 地下都市の発生学」を見に行く☆☆☆☆。
前回公演「A FAREWELL TO GERMS」での発生していたシリーズ通しての矛盾点を、一部の余計な台詞を排除して、言いまわしを変える、という手法で隠しに回った。
一生懸命説明してしまった前作よりも、こっちのやり方のほうが好きだ。
個人的にものすごい気になるのは、“電圧低下に伴って過去の記憶がよみがえり、それと同時に消えて行く”というのは、はたしてどういうメモリー構造なのか、だな。
“過去の記憶は忘却する”という話と合わせて考えると、ホログラフィックメモリか?負荷がかかって一時的に強制再現され、その不可故に消滅するという状況を考えるとそれが一番妥当だろうとは思うのだが、それでは説明できない部分もある。
思考部分はどうだろう?“アルゴリズムの習得”を目的としたシステムアルゴリズムというのは、おそらく現在の人工知能研究でも行われている、単純な思考アルゴリズムに学習機能を追加し、自己進化アルゴリズムと組み合わせて人工知能を構築するというものをハードウェア的に再現したものだろう。バイオチップを使用している台詞がどこかにあったからな。
これらを組み合わせて行くと...
ふむ、この作品に出てくる2台の大型コンピュータに関する論考を進めるのも面白そうだな。
− 7日−
明日発売の DVD は今日買える。ということで「コナン DVD-BOX」購入。
シュワルツェネッガーのハリウッドメジャーデビュー作...か?
まぁ、なんというか、10〜20年前の映画だと、微妙な若さが時としてとてつもなく不気味だという実例だろう。これがさらに前に、たとえば30年以上前の作品になると「あ、若いね」で終わるんだが。
いや、例外はあるがな。
とか思いつつ、この日記を書きつつ見ているのは、先週買ったまま放置していた青山真治「ユリイカ」だったりするんだがな。
− 6日−
明日から演劇レーベル Bo-tanzの舞台公演が始まる。
この Web の宣伝が無駄でなかったことを、誰かが証明してくれると嬉しい。もちろん私が嬉しいだけで他にはなにもないのだがな。
今日は始まり尽くしで行くぞ。
ついに届いた夏の案内状が。今年の夏は島根県玉造温泉で始まる!!
7月13日と14日。この日程は、第41回日本 SF 大会「ゆーこん」のそれである!!来たよプログレスレポート (要するに開催案内) が!!くぅ、これが来ると夏って感じがするねぇ。
今年ははたしてなにがあるのか、今から楽しみだ!!
さぁて、まずはどうやって行くかを悩む楽しみからだな。関東から行く島根県。
在来線を乗り継ぐとか、特急で行くとか、新幹線で行くとか、夜行バスで行くとか。一番有力なのは寝台特急だな。
飛行機?問題外だ。だってあれじゃぁ早すぎてロマンってもんが感じられネェ。それが昨年の北海道旅行で得た教訓だ。
− 5日−
来週13日に、日本で初めてコピープロテクトのかかった音楽 CD が発売される。
音楽 CD の販売が悪化しているのは、PC でリッピング (音声ファイルに変換) して圧縮してネットでばら撒いているヤツの責任だから、それを食い止めるのが目的なんだとか。
音楽の質が悪くなっているとか、不況だから買い控えが起きてるとかいう可能性を考えない音楽会社の考え方はとても素敵だ。
コピーコントロール CD と呼ぶらしいこの CD は、音楽 CD の規格 (規格書のカヴァーの色からレッドブックと呼ばれる) に違反していて、一部のプレイヤーでは正常に再生できないのに、一部の CD-ROM Drive ではリッピングできるというどーしょーもなさが最高のシロモノだ。
ところで、音楽プレイヤーで再生できなかった場合はプロテクトの入ってない CD との交換に応じてくれるんでしょうか?コピーコントロール CD との交換だと意味が無いし、返金だと売上が落ちるし、なんの処置もとらないと今後の売上がやっぱり落ちると思うのだが。
− 4日−
突然、「交渉人」を見たくなった。幸い、DVD は持っているので、会社より帰宅後速やかに見はじめる。
実は最後のオチが今一つ好きではないのと、主人公があまりにも有能過ぎるのが気に入らないが、他はまぁ悪くない。対して文章は書いてないが、批評はここだ。
この映画で一番好きなのは「爆弾犯を説得できるのに、なんで女房子供は説得できないんだ」と嘆くケビン・スペイシー!!出てくるなりこれだもんな。
なかなかに情けない亭主っぷりが最高だ。娘の友人に欲情するダメっぽさの炸裂する「アメリカン・ビューティー」(突き放したような視点が良い映画だ) の父親も最高だったし、「セブン」(脚本は面白かったが、カメラワークが最悪だと思う映画) のイカれた連続殺人犯の役もなかなかだった。
演技の上手い役者である。
− 3日−
中原俊「コンセント」。
わ、分からん。
いや、映画の中に出てくるここの単語の意味はわかる。
それらがなんの暗喩になっているのかも分かる。横に繋げる分には理解できる。
だが、それらの意味を物語に載せて縦に繋げた場合、さっぱり分からん!!
これははたして私の頭が悪いからなのか、組み立てを間違っているのか、脚本が完成されていないのか...
それも分からん!!
− 2日−
勝手に宣伝計画を一部改定した。重要なのは「フルネーム」だ。
この Web の“挑戦者”の方にも、見に行かれる方はいらっしゃるのだろうか!?誰かいると嬉しいのだが。
あのページが無用の長物でなかったということが実証されるが故に。
本日はビデオ鑑賞。ジョン・ウー「ハード・ターゲット」。主演はジャン・クロード・ヴァン・ダム。
この時点で画は完全に予想できますな。当然であるが、そのまんまの画である。
格闘シーンではハイスピード撮影によるスローが基本、なぜか墓場で銃撃戦やったり、二丁拳銃の乱射もある。
当然だが鳩も飛ぶ。
出てくるバイクシーンに、「MI2」のバイクアクションの匂いや、壁越しの会話シーンに「フェイス・オフ」を感じるのも当然だ。
ここまでやっているにもかかわらず、なぜか最終決戦は教会ではない。まだまだ“パターンの面白み”は完成されていないな。
とは言え、全編 B 級スピリットを感じられるアクション映画であった。
− 1日−
今月の更新履歴の画像は、ヨ・ギュンドン「寵愛」のチラシである。
このチラシと同じデザインのポスターは、
「男の腕に力が入っているのは猥褻である」
という理由で、映倫からまったがかかった曰くつきの代物。
なんでも、
「ポスターはチラシと違い公共の場所に張られ、誰でも見られるので基準を厳しく設定してある」
んだそうだ。
...これで卑猥、ですか?電車の中吊り広告とかはどーなるんでしょーか。さすが謎の組織“映倫”だけある。